僕らはみんなパラレルワールドに住んでいる。
大昔。目の前の今日を生きるのに必死だった。それは今でも僕らの奥底に刻み込まれる本能。
今僕達は、相も変わらず、むしろそれを隠すことなく、本能で語り合うことをやめない。みんな同じように。
現代。技術の発達。それによる世界線の拡張。目の前の扉で、僕らはみんな共有できるようになった。
今僕達は、相も変わらず、むしろそれに吸い込まれるように、本能に語りかけることをやめない。みんな同じように。
いつの間にか、それぞれの歩き方で、一方通行の直線世界を進むうちに、知らないとこで、あんなことやこんなこと。雲の上のような暮らしをしている人もいる。
同じ世界で生きているはずだった僕達は、交わることはできない。入口の扉が同じでも、長く一緒に居ても、どれだけ繋がることを求めたとしても、絶対に交わらない。
でも、隣を一緒に歩くことはできる。知らないうちに惹かれあったり、なんとなく寄り添ったり。そのために僕らはみんな、自分の世界線をはっきりと描かなければならない。僕らはみんな、自分自身の世界線がある。
真っ直ぐな線の方が、寄り添えるから。